何気なく葉に触れた瞬間、株ごと、ぐらり。あの感触は、今でもちょっと忘れられません。今日は、根腐れからの立て直しの記録です。
本日の主役
- アガベ・シルバーウェーブ:Agave ‘Silver Wave’
うねるような波打つ葉と、青みがかったシルバーの肌が魅力の大型種。我が家に来てから、一年半以上いっしょに過ごしてきた株です。
迎えてから、一年半
はじまりは2025年1月。

そして同じ年の4月、軒下に地植え。用土は、軽石、バーク堆肥、ピートモス、くん炭をブレンドしたもの。水はけを意識した配合にしたのですが、軒下で雨もほとんど当たらない場所。いま思えば、水はけが良すぎたのかもしれません。

その年の9月には、葉数も増えてひとまわり大きく。

さらに翌2026年の4月、地植えからちょうど一年。

ここまでは、順風満帆に見えていました。
ぐらり
異変に気づいたのは、7月26日。

水やりのついでに、なんとなく葉に手をかけたら、株全体がぐらぐらと動く。地植えの株が、こんなに簡単に揺れるはずがない。
嫌な予感しかしませんでした。
抜いて、確認
翌日、意を決して抜いてみることに。

出てきたのは、カラカラに乾いた古い根の塊。そして、新しい根が、ほとんど無い。
なぜこうなったのか。思い当たるのは、ふたつ。
ひとつめは、古い根を残してしまったこと。一年前の植え付けのとき、購入時からついていた古い根は、カットしておくべきだったのだと思います。そのままにしたせいで、新しい根が出るきっかけをつくれなかったのかもしれません。
ふたつめは、水やりと水はけのバランス。軽石多めの配合に、雨の当たらない軒下。水はけを良くしたつもりが、思っていた以上に乾きが早く、根が育つのに必要な水が足りていなかった可能性。
もっとも、どちらも「たぶん、そうなんじゃないか」という域を出ません。地植えのアガベを枯らしかけたのは今回がはじめてで、正直まだ手探りです。
見た目には元気そうに育っていただけに、地面の下でこんなことになっているとは。ここは反省しつつ、次に活かすしかありません。
処置、はじめます
ここからは、立て直しの作業。
まずは、傷んだ根をカット。そして下葉の処理。

アガベの下葉は、力任せに引っぱるとなかなか取れませんが、鋏で葉の中ほどまで切り込みを入れてやると、驚くほど簡単に外れてくれます。これは覚えておくと便利。

続いて、株元をおおっている茶色い皮のような層を削って、白い部分を出す作業。

古い葉のつけ根が乾いて重なった、かさぶたのような茶色い層。これがふたのように株元をおおっていると、新しい根が出にくくなってしまいます。そこをカリカリと削っていくと、下から白いみずみずしい部分が顔を出す。新しい根は、この白い組織から出てきます。
そして仕上げに、ダコニールを塗布して殺菌。

刷毛を使うと、削った面のすみずみまで塗り広げられます。切り口からの菌の侵入を防ぐ、大事なひと手間。

乾かして、植え付け
処置のあとは、日陰で1週間ほど乾燥。切り口をしっかり乾かしてから、いよいよ植え付けです。

用土は、軽石の小粒と鹿沼土。とにかく水はけと通気性を優先した、発根管理用の配合です。地植えから鉢へ、ここからは発根管理のはじまり。
最後に一言
見た目が元気でも、地面の下は分からない。今回、いちばん身にしみたのはそこでした。古い根の処理も、水やりと水はけのバランスも、答え合わせができるのはずっと先。一年越しで返ってきた宿題を、いま解いているところです。
とはいえ、葉はまだしっかりしていて、株そのものはあきらかに生きています。ここからちゃんと発根してくれれば、また一から育て直せる。
やり直しの夏。次に「ぐらり」ではなく「びくともしない」感触が返ってくる日を待ちながら、そっと見守ります。
では、また次回
